2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

一時帰宅

明日夫は一時帰宅する。 「おさしみと、焼き魚と、玉子焼きと豆腐の味噌汁、それに野菜を少々準備しておいてくれ。」と言う。食事の話ばかりだ。きっと病院の食事が美味しく感じられないのだろう。 まして、食道を切除した。胃をのばして食道の代わりにした…

従姉

従姉から、お見舞いの電話がかかった。彼女のご主人は肺がんで亡くなっている。 「最後はね。高たんぱく、高カロリー食でね。3日に一回は250gのステーキを食べていた。味は分からなかったみたい。でも、『見た目で美味しい。』といってね。そんなに栄養…

退院は何時?

夫はもう、点滴はしていない。むかでのような傷後の赤さも減ってきた。 最初に渡された日程表では「はやければ手術後17日目に帰れる。」と書いてあった。 そんなに早く帰れるわけはないことはわかっていた。 ドクターが言われるには「順調な回復。」とのこと…

いつものように母を訪ねる。

連休は、会社が休めそうにないので、休みのとれたときに、母に会いに行った。 母は、ベッドにねていた。抱き起こすと「一人で起きられなくなってね。」とすまなそうに言う。それでも、立位がしっかりとれるようになり、車椅子に座らせようとすると一人で立つ…

忙しいこと、忙しいこと

夫は万年青の栽培をしている。入院したから、水やり日よけは私の役目。 いつも、わたしは、会社にいっているので週日に必ず銀行や郵便局にいけるわけではない。 それも夫に頼んでいた。子ども会の月一回の廃品回収、その整理も夫がしていた。 やってもらって…

病理の結果

体は順調に回復しているが、手術後18日目に病理の結果がでた。 幸い、肺には転移してなかった。しかし、近くのリンパ節と中位のリンパ説には少し癌化した細胞がでてきた。 腫瘍そのもの大きさがかなり大きいのとリンパ節に転移があったためステージⅢになる…

食事

手術後2週間目に、「水を飲んでよい。」と言われた。 それまで口をゆすぐだけだったから、どんなにうれしかったことだろう。 夕食におもゆと、顔がうつりそうな薄い味噌汁とりんごジュースがでた。 りんごジュースはおいしかったそうである。 重湯と味噌汁は…

経腸栄養

食道の手術だったので、2週間夫は水1滴口にすることはできなかった。 体力をもたせたのは、もちろん点滴である。最初はふつうの透明な液、続いて経腸栄養と言って、粥状の液を小腸に点滴していた。腸を使わないといけないそうである。 普通の点滴が死んだ…

デリケートな皮膚

夫は順調に回復していた。一日一日スパゲティ状態を形つくっていた管が1つづつはずされていく。 しかし、小さいトラブルはいくつか起きた。 抜糸の痛みもその一つだが、夫の皮膚は弱い。デリケートである。 傷口をおおっているガーゼを止めるテープをはがす…

抜糸

手術前に手術後の予定表をくれていた。それには抜糸は1週間後と書いてあった。 しかし、予定通りはすすまず、13日目に腹部の抜糸があった。 担当したのは研修医の先生であった。 「痛かったこと。叫び声をあげたかった。今でも痛い。」夫は顔をしかめてい…

肺炎の危機をクリア

最初、主治医の先生が心配されたことは手術後肺炎になるということであった。 もともと夫は肺からの瞬間的酸素輩出量が普通の人より少なかった。 だから、体を横のすると「呼吸が苦しい。」といい続けたのであろう。 いつも「歯を磨いてください。口をゆすい…

ダブルヘッダー二回戦

夕方6時ころ夫のところに着いた。待ったのであろう。 「朝寝したのか。遅かったな〜。お母さんは元気だったか?」 「休みだったので気がつくと8時ころまで寝てた。母は元気、元気。」 仕事から帰ると夜11時、寝るのは1時近くなる。それなのに、このころ…

ダブルヘッダー一回戦

母もあまり放り出しているわけには行かず、休日だったので、母をまず訪ねた。 もう、桜も散り、車窓からみるチューリップ畑が見事だった。 母も元気でしっかり立位を保ってくれている。 ホームの大広間は日差しもよくあたる。そこでその日はブルーベリー入り…

ミス

最近、会社でたてつづけにミスをしている。 パソコンのタイムカードをクリックミスしたり、データの日付ミスをしたり・・ いつもしたことのないようなミス。仕事には集中しているつもりなのに・・・ よく、ちょきこに言われる。 「お母さんは天然ぼけ。」 確…

譫妄?

最初、夫はよく「着替えが届いてない。」と私に言っていた。もちろん、もって行っていたし、看護師さんも「預かってますよ。」と言っていたにもかかわらず・・・・ 手術後3日目くらいだろうか「足元にガラスが散っている。気をつけるように。」と言う。ガラ…

花見

主治医の先生にも看護師さんにも「しんどくてもできるだけ歩きなさい。」といわれていた夫は、私が休みの日、「病院の庭に出る。」と言い出した。「大丈夫?」といっても「少しづつ歩くから。」といって、廊下の長いすにときどき座りながら、エレベーターも…

このごろ

手術後2日目に一般病室へ戻った。 最初は息苦しいと言ってベッドを5分に一回くらいあげ、頭が痛いと言ってベッドを下げていたが一日一本づつくらい管が減っていく。まず、酸素を供給する管。次がど導尿の管。そして、体内から流れ出している血液などを抜い…

次の日

次の日ICUに夫を訪ねた。話ができたのは5分くらいか。 麻酔からは、完全にさめていた。しかし、痛みで顔をしかめていた。 看護師さんは「今座薬を入れたところです。もうすぐ効いてきますよ。」と言われた。 「何時、終わった?」 「7時ころ。」 「9時…

一日が終わる。

ICUにはいるには「手を十分洗ってください。」と言われた。 面会は可能である。夫は、半分麻酔からさめたようでまだうつらうつらしている。 「よかったね〜。お父さん、よう、がんばってね〜。」と言うと「うん。」と一言。 分かっているのか、分からない…

また、追加の話

ICUの外で面会を待っていると、夫の状態を確認にきてくださった執刀医が 「そうそう、言うのを忘れてました。なかに再建した食道がねじれたり、途中の血管がおれていたりして、その部分が機能しない人がいるのです。もちろん、そのときはすぐ再手術をしま…

手術後の説明

夫の食道からでてきたもの、血にまみれているピンポン玉くらいの大きさのもの、こんなものが食道にあると、「飲み込みにくい。」と言って胸をたたいていたけど、当然だろう。 「無事終わりました。」 「ありがとうございました。」 「肉眼で見た限りでは、も…

手術

午後一時ころちょきこが来た。そのとき、私はコンビニで買った海鮮スープスパゲティを食べていた。手術は6〜7時間かかると言われていた。 「早くきたね〜。」と言うと「朝から、何も食べてない。わたしも同じものを食べよう。」と買いに行った。ちょきこは…

追加

手術当日、朝病院に行くと夫は手術衣に着替えていた。歩いて手術室まで域と言う。 「まな板の鯉だよ。」と笑っていた。 麻酔には一時間かかると言う。指定された待合室で待っていると、30分ほどして執刀医の先生に呼びかけられた。 「奥さん、ご本人を目の…

配慮

その日に手術の前後の予定を書いた紙をもらった。 手術前日は入浴。午後からは、食事抜きとか書いてある。その表題には食道腫瘍切除手術とかいてあった。 最初内科の先生も異常細胞がみつかったとき「このポリープは腫瘍以上のものです。」といわれた。腫瘍…

説明

手術の前の日執刀医の先生から、説明があった。手術同意書はもう提出してあった。 切り方の説明それと輸血同意書、動物依頼薬品使用同意書、に署名捺印をすることだった。 「手術がしたくてするわけはありません。すれば助かるから、お勧めしているのです。…

ダブルヘッダー

次の日、朝夫をたずねた。どこが病人?と言うくらい元気である。「隣のベッドの人のいびきがうるさいから、耳栓をかってきてくれ。」と言う。「いつも自分自身が雷のようないびきをかくくせに」とおかしかった。 先生は「しばらく食事ができなくなります。病…

次の日

手術の日休みを取ったので、次の日から仕事を再開。その日は遅出だったのでまたICUに夫を訪ねた。 「今日出られる予定。」だったのが一日伸びるとのこと。急ぐことはなかろう。 「よかったね。無事おわったよ。」 「何時に終わったのか?」 「7時(だか…